革新的な医薬品開発を推進する専門家集団
肺動脈内の血管内皮の損傷、内膜・中膜の肥厚、異常細胞増殖、血管リモデリング等に伴う肺血管抵抗の増大を主原因とし、肺動脈圧の著しい上昇と続発する右心不全を引き起こす極めて重篤な予後不良の希少疾患です。自覚症状として安静時あるいは労作時の息切れ、易疲労感、胸痛、失神などを認めます。PAH症状の悪化や死亡リスクの増加には、様々な要因が影響を及ぼすと考えられており、そのコントロールは非常に重要です。PAH症状の改善を目指した、新規治療薬の開発が期待されています。
近年、がんに対する治療は外科療法、化学療法、放射線療法に加え、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などの上市により以前と比べ、大きな進展がみられるようになりました。これにより一部のがん種では予後の改善が見られるようになったものの、依然としてがんは主要な死因の一つであり、すべての患者さんに対して十分に満足のいく治療が提供されているとは言い難いのが現状です。また、薬剤による副作用も患者さんのQOLに大きく影響し、治療選択肢の拡充が進んでいる一方で、患者さんの満足度は高くないケースも多く存在します。患者さん一人ひとりの状態やQOLに配慮し、患者さんに寄り添った治療法の開発が期待されています。
RAは、世界中で数百万人が罹患する慢性炎症性疾患であり、患者の生活の質(QOL)や社会的活動に大きな影響を与える慢性疾患です。現在の治療としては、TNF阻害薬をはじめとする生物学的製剤やJAK阻害薬など複数の治療選択肢がありますが、治療抵抗性の患者群、副作用による離脱、長期的な寛解維持の困難などといったアンメットニーズが多く残されています。臨床の現場においては、より効果的かつ安全性の高い治療法、患者コンプライアンスの改善などへの期待が高まっており、RA領域では今後も大きな市場成長が見込まれており、新規薬剤の開発が期待されています。